消費税増税の影響、思惑、現実

日本の政策
日本の政策

消費税とは

消費税とはその名の通り物やサービスを購入した際にかかる税金です。
現在の消費税率は10%となっています。

今のコロナ禍において消費税増税が噂されています。
しかし、消費税増税がどれだけ危険なことか皆さんお気づきでしょうか?

今回はなぜ消費税増税が必要という声が上がるのか?
なぜ、消費税増税が危険なのかを説明していきたいと思います。

国の借金1000兆円

『国の借金1000兆円、国民一人当たり800万円の借金』
何度も説明していますが、この表現は間違いです。
正しくは政府の借金1000兆円です。
詳しくは国の借金1000兆円という嘘をご覧ください。
過去の投稿で説明しています。

そもそも消費税とは不平等な税金です。
所得税や法人税であれば給与や利益が大きい人、企業は多くの税率、少なければ少ない税率になります。しかし、消費税は所得が多い人、少ない人にかかわらず10%の税率です。所得の少ない人にとって厳しい税金です(逆進性と言います)
また、企業であれば赤字でも消費税は収めなければなりません。法人税は赤字では納める必要がありません。

下図は2017年と少し古いデータですが、日本とスエーデンの税収の内訳図になります。


2017年ですからこの時の日本の消費税率は8%の時代の税収内訳です。
この段階で、消費税率25%のスウェーデンとほとんど内訳は変わらないのです。
(令和2年度の消費課税の税収割合は35.5%になります。)

「欧州は消費税率はもっと高いから日本ももっとあげるべきだ!」は、間違っています。
今の日本はデフレです。そのような状態で消費を抑制させる消費増税を行えば、ますますデフレは深刻化していくでしょう。

社会保障費

「日本は高齢化によって社会保障費は増え続けるからその財源の為に消費増税は必要だ!」
これもよく耳にする言葉ですね。確かに社会保障費は年々増加しており、この先も増加し続けるでしょう。そもそも社会補償費が増加するなら増やすのは社会保険料じゃないでしょうか?

社会保険料はその名の通り社会保障費に使用されるお金です。
消費税を増税することで使用用途を限定したくないのでしょう。

現実問題2014年の消費税が5%→8%へ増税された時、「増えた税収は全額社会保障費に使う」と自民党は公約に掲げていましたが、実際に使われたのはたったの2割でした…。

経団連

経団連とは日本の東証一部上場企業を中心に構成される団体です。
経団連もまた、力を持っています。
大企業に下請け企業の社員を数えると、労働者の役6割ほどが経団連と関係があります。
それだけ選挙時に表をもっている団体なので政府や役所は経団連に耳を傾けます。

その経団連も消費増税に賛成と唱えております。
消費税増税されると消費が冷え込み企業の利益が下がるのになぜ経団連は増税派なのか

それは消費税を増税する代わりに法人税を減税する約束になっているからです

上図は消費税と法人税の推移になります。
見ての通り消費税が上がっているのに対して法人税下がっています。

企業は従業員へ支給する給与へ社会保険料か加算され、それが人件費になります。
消費税は人件費へもかかります。人件費へのペナルティーになってしまうのです。人を雇うハードルが高くなってしまいます。
すると企業は人件費の削減の為、給与カット、非正規化、外注化などを行うようになります。
特に非正規化と外注化は経費になりますので企業は積極的に取り入れるようになりなりました。
その結果、法人税減税と合わさり企業の利益は増加し、従業員の給与は低下していき、日本の貧困化を加速させました。

消費税・法人税の税率は変わっても税収の50%が消費税・法人税が入れ替わっているだけになります。

しかも、大企業の法人税率は中小企業の半分程度の利率しかありません。
なぜなのか?

それは経団連に消費税増税を認める代わりに、法人税を減税する法律を財務省が作っているからです。

国債価格暴落、ハイパーインフレーション

「日本の借金残高はGDP比で世界で最悪だ!」
「借金の多い国の国債は信用がなくなり価格が暴落し、金利は上昇する!」
「日銀がお金を刷りまくると市中のお金を増加し、ハイパーインフレになる!」
「だから借金を減らさないといけない!だから増税だ!」
皆さんはこのような言葉を聞いたことはないでしょうか?
この間違いについても解説します。

まず、今の日本はデフレです。デフレの国でお金を刷ってインフレになるなら問題がないんじゃないてしょうか?素晴らしいデフレ脱却ですね。

そのそもハイパーインフレとは物価が一年で約130倍になる事を言います。
ハイパーインフレ…なんかヤバそうと、思わずしっかり定義から覚えていきましょう。
コロナ禍で国債の発行量はかなり増加しましたがハイパーインフレどころかインフレにでもなりましたか?なってないですよね?
お金発行=ハイパーインフレは間違いだという事です。インフレは需要と供給のバランスで決まります。

需要>供給になる事でインフレになるのです。刷ったお金が物やサービスの購入に使われないと意味がないのです。

次に借金が多い国の信用は低下し、国債価格は暴落し、金利が上昇する!
実際2012年にギリシャが財政破綻した際、ギリシャの長期金利は40%を超えていきました。
誰もお金を貸さないので金利を上げて買ってもらおうとし、金利が上昇していきます。

では、今の日本の長期金利はどうなっているのでしょうか?

1970年から長期債務は増え続けていますが長期金利は下落し続けほぼゼロの状態です。
金利がほとんどつかなくても買ってくてる超人気商品という事です。
日本の財政は健全ということが証明されています。

IMFとプライマリーバランス黒字化目標

今の政府はプライマリーバランス黒字化を目標にしています。
プライマリーバランス黒字化とは、国の支出を収入より少なくしようという目標です。
これはIMF(国際通貨基金)も必要だと言っています。
その為には収入を増やさないといけないので消費税を増税しようという判断になっています。

IMFには財務省出身の方がたくさん在籍し、理事などのポストにも在籍しています。天下りです。
さらに各国の税金を調べる委員会の議長も元財務省。
さらにさらに日本が世界で2番目にIMFに多くのお金を出しています。
IMFと財務省はズブズブの関係なのです。

さて、過去には財政危機からIMFが推奨するプライマリーバランス黒字化目標を行なった国は2カ国ありました。ギリシャとアルゼンチンです。この2カ国はIMFの言う通り財政再建に取り組みました。
結果、2カ国は財政破綻しました。

なぜ、プライマリーバランスを黒字化すると財政破綻するのか?

国家の黒字体質とは政府が支出するより、国民から徴収する税金の方が多くなる事です。
政府が支出をすれば民間の資産になります。
政府の赤字は民間の黒字。政府の黒字は民間の赤字です。
詳しくはこちらをご覧ください国民経済について

政府が赤字を減らす為に支出を減らす→民間の収入は減少する→さらに増税によりお金はなくなり、消費が減少します。GDPが悪化し、失業者は増え、生活に困窮する人が自ら命を断つようなことが起こってしまいます。実際にコロナ禍において自殺者は急増しています。緊縮財政は人を殺します。

プライマリーバランスの黒字化目標は国民赤字化目標のことなのです。
誰も幸せにならない、むしろ不幸にする政策なのです。

では、増え続けた政府の赤字は大丈夫なのか?
1975年戦後2度目の赤字国債を発行した時の大平蔵相は「万死に値する!一生かけて償う」と発言しています。
政府の赤字は1970年と比べ150倍を超えています。しかし何も困ったことは起こっていないのです。金額の問題ではないのです。

まとめ

消費税増税がいかに国民を苦しませることかわかっていただけましたでしょうか。

消費税は消費を抑制させる税金です。日本がデフレであり、国民の収入が減っているから消費は縮小していき、ますますデフレが深刻化します。
そのような状態で消費税増税は考えられません。

そもそも税収が上がらない理由は日本がデフレなのが理由です。
デフレを脱却し、インフレになれば自然と税収が増加し、このようなことにはならないでしょう。
なのに問題がない政府の借金をクローズアップし、増税をすることに我々は異を唱えないといけません。

コロナ禍において消費税増税が噂されています。今、行わなければならないことは消費税減税・凍結です。

消費増税が行われるまで時間がありません。
既に明らかになっている消費増税の事実を判断していただきこれからの政治判断に生かしていただきたいと思います。