国家安全保障 〜国民の安全を保障するという国の使命〜

日本の政策
日本の政策

国家安全保障とはざっくりまとめると国民の安全を保障することです。一部を例に述べますと『食料』『医療』『災害』『防災』『経済』など書ききれないほどのさまざまな分野にわたります。

安全保障とは国の使命であるのです。
今の日本は国の使命である安全保障を疎かにしています。その為私たちの様々な『安全』が脅かされています。

今回はそんな安全保障について、そしてなぜ疎かにしているのかを解説します。

安全保障の具体例


安全保障には様々な分野があります。その具体例をいくつがご紹介します。

『食料安全保障』

国民が安心安全に食料を確保できるようにする事です。食料危機により、国民が飢えに苦しむことのないようにする事でもあります。
他国に食を依存していると輸入先の国の気候変動などの情勢の変化が起きた際、食を供給する事ができなくなります。
昨年のコロナが流行し始めた頃、日本国内ではマスクの品不足が深刻になりました。理由はマスクのほとんどを中国からの輸入に頼っていました。その結果中国がマスクの輸出を制限した為、日本でマスクが不足することになりました。そして価格が上昇し、さらに入手困難な状態になった事は記憶に新しい事ではないでしょうか?
日本の食料自給率が低いという事はマスクと同じ事が起こる可能性があるのです。

『医療安全保障』

国民全員が医療を受けることが出来るようにする事です。
国は使っていない病床を無駄とし、どんどん削減していきました。
昨今のコロナ禍で救急搬送されても、入院を拒否されることが多発し、医療を受ける事ができなくなっています。既に医療安全保障は崩壊しているのかもしれません。

『防災安全保障』

地震や大雨などにより命を失わない、家などの資産を守るものです。
日本は災害大国であります。近年では毎年深刻な地震、大雨などの被害が出ております。
そのような災害が発生した際でも被害をゼロまたは最小限に止め、国民の生活、資産を守る為に耐震対策を施したり、河川の反乱を防ぐ為の堤防の設置などの対策が必要になります。
毎年多大の水害被害が起きている為、まだまだ対策が間に合っていないと思います。
それなのに日本の治水関連事業費は年々削減されているのです。

『防衛安全保障』

日本国が他国から侵略されても国を守る事ができる事です。
政府の情報を集めているサーバーはアマゾンのAWSを使用しています。それもサーバー本体は日本国内になく、アメリカ本土においてあります。そのような状態で日本の機密情報は他国に漏れずにいられるのでしょうか?

通信アプリ「LINE」にて、情報が韓国に筒抜けだったニュースはご存知でしょうか?
政府、議員は重要な情報の交換はLINEを使用していませんと説明していますがどこまで信頼できるでしょうか?このようなに情報の筒抜けが表沙汰になったにも関わらず、LINEに変わる国内通信アプリの制作は行っていません。外国企業の通信を使用する際の危険認識力が低いと言わざるを得ないでしょうか?

先日住友重機械が機関銃の生産から撤退するとのニュースが出ました。
国産の機関銃は外国製と比べ価格が5倍になるから安い外国製の物を輸入すれば良いという甘い考えになってしまうのです。考えたくは無いですが、いざ戦闘になった時、武器の輸入が今と同じようにできるのでしょうか?
住友重機械が機関銃生産から撤退へ-東洋経済

『経済安全保障』

今現在、半導体の製造が間に合わずに様々な製品が生産ストップしているニュースはご存知の方も多いと思います。ではなぜ、半導体の製造が減少してしまったのか?それは半導体の製造の9割は台湾で製造されています。その台湾が中国との関係により製造がストップしているのです。

これにより諸外国は気がついたのです。「半導体の製造を台湾からの輸入に頼っていると台湾の情勢により、製造業の生産がストップしてしまう。これでは国の経済安全保障に関わる。これからは自国で半導体を生産できるようにしよう」と。その為に各国の政府は半導体製造に巨額の資金を投入することを決定しました。

日本政府も同じく国内に半導体の製造ができるようにするとし、2000億円の予算を付けましたが、諸外国は兆円規模の予算をつける中、日本は2000億円。安全保障に対する考え方が欠落しているとしか思えません。半導体戦略−経済産業省

さらに、次世代の半導体研究に対し9億円の予算を付けましたが。「国家事業」と位置付ける割にはかなり少ない予算だと思います。
次世代半導体研究を強化−共同通信

なぜ政府は安全保障に力を入れないのか?

なぜ政府は各国と比べこれほどまでに安全保障への危機意識が低いのでしょうか?
理由は2つあると考えます。

  • 一つは安全保障を軽視しているという事です。
    他国は歴史的に見ても常に侵略から国家を守るということが当たり前になっています。しかし、日本にはそれがありません。
    日本は他国から侵略を受けた歴史がほぼありません(モンゴルだけ)。海に囲まれている為侵略されなかったのです。しかしEUは陸続きになっているのでいつでも侵略の危機があります。アメリカはイギリスからの移民の国ですので考えは同じです。なので機関銃を製造していた住友重機械が撤退しても何も気にしないのです。

    確かに武器は平時には使うことはないでしょう。しかし安全保障というのは緊急時の時に必要になります。このことは全ての安全保障の考え方の根幹になります。なのでマスクや半導体のように海外情勢により入手ができなくなり、国内での入手が困難になるのです。
  • 二つ目に日本が緊縮財政だからです。
    緊縮財政でお金を使いたくない、なので小規模の予算しかつけられないのです。
    私はどちらかというとこちらの方がメインではないかと思います。
    何度も申しますが安全保障とは何もない平時の時には使うことがありません。しかし何か異常時に初めて効果を発揮します。それの為の対策は果たしてお金の無駄なのでしょうか?

    今まで国は公立病院は病床が余っている。無駄だ!と、病床を削減してきました。その結果は言うまでもありません。
    日本は災害大国です。昨今大雨が頻繁に発生しています。その度に河川が氾濫しています。国民の命、資産を守る為の氾濫防止の堤防の建設は無駄なお金なのでしょうか?

    製品に関しても「海外製の方が安い」という事は国民が考えることであり、政府、国はそのような考えをしてはいけません。安全保障は国が行わなくてはいけません。
    企業は利益を上げることが目的の団体です。儲けにならない、赤字を出し続けている部門は切り捨てます。安全保障を企業に委ねると安全保障は疎かになります。
    お金にならないことだから国が行わなくてはならないのです。補助金を出し、企業に生産し続けてもらわないといけないのです。

    国営から民営になり、サービスが低下した例はいくつも存在します。
    鉄道は赤字路線は切り捨てられ、郵政はポストの数が減少、などなど利益にならないものはどんどん縮小していきます。民間企業では仕方がないことなのです。企業は赤字を削減してしまうからです。

    国が国営事業を民営にしたい理由として今まで延た緊縮財政によりお金を出したくないことに加え、一部のお金稼ぎをしたい人が存在する事実もあります。民営化すれば新たな市場が生まれるのでそこに参入したい人間がいるのです。
    このことに関しては今回は深掘りはしませんが、いつか記事にしたいと思っています。

まとめ

安全保障とはどれだけ国にとって大切な事か理解してもらう事ができたでしょうか?

  • 国の国民の安全を保障する事
  • 安全保障とは何もない平時の時には使うことがないが、異常時に初めて効果を発揮する
  • 安全保障を企業に委ねると安全保障は疎かになる。
    企業は利益を上げることが目的の団体であり、儲けにならない、赤字を出し続けている部門は切り捨てます。平時で使用しない事にお金を出し続けることはできません。

そして緊縮財政がどれだけ国を危険にしているかも理解できたと思います。
これを言うと「日本は少子高齢化で税収が減っているから財源が足りないんだ」と言われますが、それは間違っています。
日本には予算的な制約はありません。

無いことを心配し、国の安全を放棄しているそれが今の日本であります。
今は自民党の総裁選が控えており、現在では河野氏、岸田氏、高市氏の3者が立候補しています。
3者がどのような政策を掲げ、総裁選に挑んでいるのかをもう一度確認していただきたいと思います。
そして衆議院選挙も間近に控えております。各党の政策、立候補者の政策も確認して頂きたいと思います。