[簡単解説]お金はどのようにして市中に出回るのか?

現代貨幣理論
現代貨幣理論

私たちは「お金」を使用し、物やサービスを購入しています。日本に住んでいる方々がお金を使用することで経済は回っています。
ではそのお金はどのようにして市中に出回るのか?解説していきます。

お金はどのようにして市中に出回るのか?

 
 

世の中のお金はどうすれば増えると思いますか?

 
 

日銀がお札を印刷すれば増えるんじゃないの?

このように思った方も多いのではないのでしょうか?
確かに日銀がたくさんお札を印刷したら世の中のお金は増加します。しかし正確には日銀が保有しているだけではお金として機能はないのです。

それはなぜか?

お札(現金紙幣)は日銀の借用証書だからです。「日銀が1万円借りた証明書」が現金紙幣なのです。
なので本来、原価20円ほどしかない1万円札には1万円の価値があるのです。そして借用証書なので日銀以外の物が所有して初めて価値が生まれるのです。

「日銀が1万円借りた証明書」を日銀自身が所有していても何の意味もないのです。

では、どのようにして世の中に新規のお金が生まれるのか?それは誰かが借金した時になります。

皆さんが銀行から1000万円のお金を借りた時、その1000万円はどこから来たお金なのか?
答えはどこからも来ていません。皆さんの「1000万円借りた証明書」である借用証書と引き換えに銀行預金を発行し新しくお金がこの世の中に生まれるのです。

ここは皆さん誤解されていることではないでしょうか?銀行は私たちのお金を又貸ししているのではないのです。現金紙幣が移動しているわけではありません
少し雑な言い方をすると銀行は私たちからお金を集めなくても記入するだけですので、お金をいくらでも貸すことができるのです。(正確には少し違いますが…)
なので国内全体では現金紙幣の金額よりも預金の方が金額が多いのです。

これを誤解されると世の中の金融についての考え方が根本から崩れてしまいます。

上図のように銀行は様々な借用証書と引き換えき銀行預金というお金を発行しているのです。

国民、企業、政府など様々な方が借金をすることにより、お金の絶対量は増えるのです。
下図は日本国家全体の資産と負債の金額の合計になりますが、見てもらってわかる通り資産と負債は、ほぼ同額になっていることがわかると思います。(NPOは金額が少額の為除外、その為合計金額は多少異なる)

借金した分だけ資産が増加するのでこのようになるのです。

国民経済の五原則

先ほどの内容を説明する五原則について少し触れさせてください

1.生産、支出、所得の三つは必ずイコールになる
2.お金は、モノやサービスの購入に使っても消えない
3.誰かの所得は、誰かが支出しなければ生まれない
4.誰かがお金を借りたとき、必ず誰かがお金を貸している
5.この世に負債だけを増やせる存在はいない

1.生産、支出、所得の三つは必ずイコールになる
モノやサービスを生産し、それを買ってもらい、私たちの所得になります。その金額は同じになります。当たり前ですよね?
つまりGDP(国内総生産)とは生産の合計であり、支出の合計であり、所得の合計であるのです。

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2.お金は、モノやサービスの購入に使っても消えない
モノやサービスを購入の際、自分の財布からはお金が出ていくが、そのお金は販売者の手元に移りますよね?社会全体で見れば、お金は消えることはないのです。

3.誰かの所得は、誰かが支出しなければ生まれない

1.と同じですが、私たちのモノやサービスを買ってくれないと、所得は増えません。当たり前ですよね?

4.誰かがお金を借りたとき、必ず誰かがお金を貸している

私たちが友人からお金を借りまりました。私たちはお金を借り、友人はお金を貸している。
貸借関係が成り立ちます。

5.この世に負債だけを増やせる存在はいない

私たちが友人から1万円借りました。私たちの借金は1万円増えました。しかし手元に1万円という資産も増えますよね?お金を借りた訳ですから。資産と負債は同額増えるのです。

このことから誰かの資産は誰かの負債、誰かの負債は誰かの資産になるのです。

まとめ

銀行は貸出する時は誰かのお金を又貸しするのではなく、通帳に数字を入力するだけで銀行預金をゼロから発行しています。現金紙幣が移動しているわけではありません

世の中のお金は誰かが借金をした時に増加します。そして、借金を返済した時に初めてお金は消滅します。
誰かの資産は誰かの負債、誰かの負債は誰かの資産の関係になっているのです。

「国の借金が1000兆円も〜」と言っている人は「国民がの資産が1000兆円も増えてしまった〜」と同じことを言っているのです。

お金が世の中に生まれる仕組みが少しでも皆さんに理解いただければ幸いです。